生殖系
講義一覧
0 婦人科オリエンテーション(川崎先生)
試験出るのかな?
1 女性生殖器の機能とその異常(秋山先生)
講義最後の復習問題
- 生理的無月経でないのは?(思春期は機能的無月経)
- LHサージは排卵期
- 高プロラクチン血症について正しいのは?(抗腫瘍薬)
- 19歳の症例について(鼡径部=精巣摘除)
- 32歳の症例について必要ない検査(子宮鏡)
2 婦人科良性疾患(田坂先生)
3 卵巣腫瘍(板垣先生)
4 子宮頸癌(◆志鎌先生)
過去問だった。先生の変更により変わるか?
5 子宮体癌(中尾先生)
まとめのスライド
- 増加傾向、ライフサイクルの変化。
- Type I エストロゲン依存性 -- 生活習慣因子(肥満、糖尿病)、ホルモン因子(エストロゲン過剰投与、多嚢胞性卵巣症候群)、遺伝子因子(リンチ症候群)
- Type II エストロゲン非依存性
- 不正出血。子宮内膜組織診で確定診断。
- [組織型]前駆病変の子宮内膜異型増殖症。類内膜癌が高頻度。
- [病期]手術進行期分類。鼡径リンパ節への転移は遠隔転移である(IVB期)。
- [治療]第一選択は手術療法。妊孕性温存手術は子宮内膜異型増殖症〜内幕に限局する類内膜癌G1、高用量黄体ホルモンによる薬物治療。
- 漿液性癌、明細胞癌は予後不良。
6 不妊不育症(◆川崎先生)
7 泌尿器科オリエンテーション(木村先生)
話すこといっぱいあるから→クイズやってるからだろ
8 前立腺癌・前立腺肥大症(木村先生)
9 男性生殖器腫瘍・化学療法(河原先生)
10 男性性機能障害・男性不妊(古城先生)
11 婦人科放射線治療(櫻井先生)
12 泌尿器科放射線治療(石川先生)
13 生殖器画像診断(齋田先生)
14 発生と形態・機能1(高橋先生)
15 発生と形態・機能2(高橋先生)
16 男性生殖器の病理(高屋敷先生)
17 女性生殖器の病理(坂田先生)
女性機能
無月経
- 1度無月経 -- プロゲステロンが不足=エストロゲンにより子宮内膜発育あり
- 2度無月経 -- エストロゲンもプロゲステロンも不足
- 体重減少性性無月経 -- 頻度高い。低栄養による下垂体の抑制
- 線形性食思不振症 -- 摂食障害
- 高プロラクチン血症 -- 乳汁分泌
- 多嚢胞性卵巣症候群 PCOs -- 肥満・男性化
婦人科良性疾患
- 子宮内膜症
子宮内腔・筋層以外での異所性増殖
内膜症性膿疱から卵巣癌(明細胞癌、類内膜癌が多い)を生じることがある。
- 特徴所見
- ブルーベリースポット
- 強固な癒着
- 内膜症性膿疱(チョコレート嚢胞)
- 症状
- 疼痛
- 不妊
- 消化器症状、尿路症状、呼吸器症状
- 診断
- 腫瘍マーカー CA125
- 内診 -- 後屈、可動性制限、ダグラス窩有痛性硬結
- 問診、骨盤部MRI、経膣・経腹US
- 治療
- [薬物療法] 対症療法 -- 鎮静薬、漢方薬
- [薬物療法] 内分泌療法 -- エストロゲン分泌の抑制。低用量OC、偽妊娠療法、偽閉経療法など
- [手術療法] 保存療法(癒着剥離と病巣除去) or 根治療法(子宮・付属器の切除・摘出)
- 子宮腺筋症
子宮内膜組織の子宮筋層内での異所性・びまん性の浸潤・増殖
性成熟期に多い。エストロゲン依存性。
- 症状
- 月経困難症
- 過多月経
- 貧血
- 子宮腫大
- 診断
- [内診] 子宮は弾性硬で腫大
- [US] 境界不明瞭な筋層の肥厚。血流あり。
- [MRI] T2低信号の中に点状に高信号が存在
- 腫瘍マーカー CA125
- 治療
- 保存的治療(軽症例)
- 症状が強い場合は子宮内膜症に準ずる
- 腺筋症の核出は子宮破裂のリスクが高まることに留意
- 子宮筋腫
子宮平滑筋由来の良性腫瘍
エストロゲン依存性 -- 閉経すると退縮することが多い
- 発生部位による分類
- 漿膜下筋腫 -- 外に突出
- 筋層内腫瘍 -- 子宮筋層内
- 粘膜下筋腫 -- 内腔に突出
- 有茎性の粘膜下筋腫では筋腫分娩。不正性器出血で緊急手術が必要になることも
- 症状
- 過多月経、不正性器出血、貧血 -- 粘膜下で好発
- 腫瘤感 -- 漿膜下が多い
- 月経困難症は多くが子宮内膜症を合併
- 診断
- [内診] 凹凸不整な狩猟を触知。漿膜下では付属器の腫瘍と鑑別が難しい
- [US] 境界明瞭
- [MRI] T1正常筋層。T2低信号(子宮肉腫では比較的高信号、拡散制限あり)
- 治療 -- 小さいもの、無症状のものは経過観察のみで良い
- [薬物治療] GnRHアゴニスト -- 逃げ込み療法
- [手術療法] 全摘 or 核出 or 経頸管的切除術
- 骨盤内炎症性疾患 PID
骨盤腹膜を含む内性器の炎症性疾患
子宮付属器炎、その他細菌性菌症、子宮頚管炎、子宮内膜炎、外陰炎からの上行性感染など
- 症状
- 下腹痛、発熱
- 診断
- [内診] 子宮・付属器、周辺の圧痛
- [血液] WBC↑、CRP↑
- [US] 膿瘍形成はしばしば
- 治療・予防 -- 感染経路の遮断
- 抗菌薬投与
- sex partnerと共に治療
- コンドームの使用
- 絨毛性疾患
胞状奇胎 -- 異常妊娠
全胞状奇胎 -- 母方ゲノム欠失卵子による雄核発生
部分胞状奇胎 -- 2精子同時受精による三倍体化
- 症状
- 無月経、悪阻、性器出血
- 卵巣腫大
- 妊娠高血圧症候群様症状
- 甲状腺機能亢進症様症状
- 診断
- hCG高値
- [US] 子宮内に異常膿疱状
- 治療
- 除去術 → 基礎体温測定、避妊、hCG測定
- [一次管理] 5w:1000, 8w:100, 24w:測定感度以下
- [二次管理] 寛解後、3ヶ月毎5年間のhCG測定
- 異所性妊娠
卵管妊娠、とくに卵管膨大部に多い。ほかに頸管、腹腔、卵巣妊娠
[原因] 排卵から着床までの間のプロセスの障害。PID(淋菌、クラミジア)、既往、開腹手術の歴
急性腹症の原因となりうる
[診断] hCG測定、超音波断層法、ダグラス窩穿刺
- 治療
- 軽症の場合経過観察することもある
- [手術療法] 卵巣の切除が基本だが症例による妊孕性温存では卵管切開・卵巣部分切除など
- [薬物療法] メトトレキサート
卵巣腫瘍
卵巣は胚細胞、間質細胞、表層上皮細胞(腫瘍多い)からなる
全生涯で5~7%に腫瘍が発生
女性性器悪性腫瘍の中ではもっとも死者多い。Silent Killer
卵巣癌は若年者"AYA世代"にも多い
遺伝性乳がん卵巣がん症候群 FBOC の原因 BRCA1, BRCA2遺伝子
- リスク因子
- [生活習慣] 肥満
- 未産婦
- ゴナドトロピン過剰
- 子宮内膜症
- [遺伝性因子] 5~10% → HBOC
- [自然環境] アスベスト、タルク
- 症状
- 無症状のことが多い
- 腫瘍の増大で腹部膨満感、下腹部痛
- ときに副膵
- 診断
- US, MRI, CT
- 腫瘍マーカー
- 病理検査
- 治療
- 手術療法、確定診断
- 良性の場合は経過観察のことも
良性腫瘍
- 表層上皮性・間質性腫瘍
腫瘍マーカーは正常。粘液性では多房性
- 性索間質性腫瘍
性索間質は性ホルモンを産生
莢膜細胞腫:エストロゲン産生
線維腫:最も頻度高い。胸水・腹水貯留、Meigs症候群
- 胚細胞腫瘍
若年女性に多い
- 成熟嚢胞性奇形腫:嚢胞内に毛髪、脂肪様組織、歯牙
- 類腫瘍病変
嚢胞性の腫大(腫瘍ではない)
境界悪性腫瘍
悪性腫瘍
多段階発生(良性腫瘍から境界悪性卵巣腫瘍を経て癌化、粘液性癌に多い)とde novo発癌(漿液性癌に多い)
非明細胞癌のG1/G2、明細胞癌のIAでは妊孕性温存が推奨できる・推奨を考慮できる
- 診察・所見
- 内診、US、腹水細胞診
- MRIは骨盤内病変の評価に用いる
- CTは遠隔転移、リンパ節転移などの評価に用いる
- 腫瘍マーカーは診断の補助・治療効果判定など。加齢・性周期など様々な要因に影響される
- 進行期分類
- I期:卵巣に限局
- II期:骨盤内への進展
- III期:骨盤外の腹腔内・後腹膜リンパ節
- IV期:腹膜播種を除く遠隔転移
- 治療
- できるだけ取る
- [重症例] 術前化学療法
- [再発リスク] 術後化学療法
- [手術不良] 現状維持・緩和のための化学療法
胚細胞腫瘍
10-30代の腫瘍の約70%
抗がん剤による治療で予後が良好
- 特徴的なマーカー
- AFP -- 卵黄嚢腫瘍、未熟奇形腫、胎芽性癌
- hCG -- 絨毛癌
- LDH, AFP -- 未分化胚細胞腫
- CA19-9 -- 成熟膿疱奇形腫
- 卵黄嚢腫瘍
~30yo
AFP高値、腫瘍細胞の血管周囲性配列
速やかに手術
表層上皮性間質性腫瘍
- 漿液性癌 -- 最多
de novo、漿液腺腫・境界悪性から
- 明細胞癌 -- 日本では比較的多い
内膜症から -- 罹患者で早期発見
患者数増加、他の組織型に比べて予後不良
- 類内膜癌
内膜症から
- 粘液性癌
粘液腺腫・境界悪性から